旅道楽なコラムvol.27~太平洋に沈み、太平洋から昇る太陽

ひとり旅のエピソード、失敗談、感動秘話などを綴る旅道楽なコラム。今回は、「太平洋に沈み、太平洋から昇る太陽」のタイトルで、1994年10月のひとり旅で訪れた足摺岬の光景について書きます。

海の水平線に沈む夕日

高知県の西にあり、四国最南端に位置する足摺岬は、旅人にとって「わざわざ出かける価値のある観光名所」という表現がピッタリの場所です。

とにかく遠い、というのが印象に残っています。高知駅から土讃線・土佐くろしお鉄道で中村駅まで2時間、さらに中村駅からバスで2時間かかったからです。

土佐清水の市街地はすんなり走ったのですが、岬に入っていくと道が狭くなり、大型の路線バスは断崖に沿った道をゆっくりと走ります。所要時間がかかるはずです、

バス停を降り立ったのは夕方。そろそろ日が沈もうとしている時間帯にさしかかっています。この日は幸い、快晴に近い天気にも恵まれていました。

岬周辺を散策してから、夕日スポットである岬の展望台にやって来ました。見渡す限りの海の水平線は270度くらいあろうかという大パノラマ。

海に沈む夕日・・・その一瞬をとらえようとカメラを構えます。当時はフィルムでしたので、ムダな連写もできません。ひたすらシャッターチャンスを待ちました。

太陽はゆっくりと高度を下げていきます。そして水平線にさしかかると、まるで海の中に沈んでいくかのような光景を見せてくれたのです。

 

同じ岬で日の出も拝めた!

太陽は海の水平線に沈んで姿を消しました。それでも空はまだ少し明るかったので、しばしの間、ダイナミックな「日の入りのドラマ」の余韻に浸っていました。

やがて周囲が暗くなってきたのに気づき、完全な闇にならないうちに展望台から引き上げました。この日は足摺岬にある旅館に宿を取っており、そちらへと移動します。

まだ余韻が消えない中で旅館の夕食に舌鼓を打ちます。ひとり旅でしたが、高知名物の「皿鉢料理」のコンパクト版を頂戴しました。もちろん地酒も。

岬にある旅館なので、テレビの音を消すと聞こえてくるのは潮騒だけ。旅の疲れも手伝ってか酔いも回り、布団に入るや否や、すぐに寝入ったのです。

翌日、早めに目が覚めると、窓の外が少し明るくなっていました。「ひょっとすると日の出が見えるかもしれない」と窓越しに目を凝らしたのです。すると・・・

海上に浮かぶ薄雲の上に太陽が姿を現したのです。ほぼ同じ場所に居ながら、海に沈む夕日と海から上がる朝日を両方見られるとは・・・

足摺岬という太平洋に突き出た岬まで、わざわざやって来たからこそ見られた贅沢でダイナミックな光景。今なお深く心に刻まれています。

朝日を眺めて幸先のいい旅行2日目の朝を迎えたわけですが、土佐清水の竜串を訪れた際に予想もしなかったアクシデントに見舞われるとは、夢にも思いませんでした😱

今回のキーワード「ホテル足摺園」

足摺岬にある遍路宿の由緒をもつ老舗旅館。田宮寅彦の小説「足摺岬」が映画化され、自殺志願者が訪れるようになるなかで、当時の女将が自殺を思いとどまらせたという話が残っています。私がお世話になった旅館でもあります。
ホテル足摺園のサイト

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