ひとり旅での大阪―名古屋の移動は新幹線or近鉄~どちらを選んでもメリットあり
列車を使ったひとり旅で大阪と名古屋を行き来するには、2通りの手段があります。
一つは東海道新幹線、もう一つは近鉄線。あなたなら、どちらを選びますか?

「車窓」という点では、近鉄線の方がバリエーションに富んでいるといえるでしょう。ただし、東海道新幹線もトンネルが少ないので、意外と車窓は楽しめますよ😀
まずは、新幹線と近鉄線それぞれの概要を解説します。※2022年12月現在
新幹線と近鉄線を単純に比較すると、所要時間は新幹線が1時間以内に対し、近鉄線は2時間と倍以上の時間がかかります。
一方で料金ですが、近鉄線ひのとり号は全車指定席ですので、新幹線のぞみ号も指定席で換算すると、近鉄線の方が1930円安く乗れます。
これらを踏まえて、所要時間と料金以外に、新幹線と近鉄線それぞれのメリットについて、ご紹介していきましょう。
✅ 車内販売があるのぞみ号VS自動販売コーナーのひのとり号
JRは多くの特急列車から車内販売が消えていきました。急いで乗った時には重宝していたのですが、今は事前に買って乗らないと、ひもじい思いをしがちです。
東海道新幹線は、数少なくなった車内販売のある列車です。パーサーが車両内を移動しながら、弁当や飲み物、お土産などを販売しています。
一方の近鉄ひのとり号ですが、車内販売員は乗車していません。その代わりに、自動販売コーナーを設けており、コーヒーやお菓子などを買うことができます。
ひのとり号では、アルコール類を販売していないのがネックとなり、その点ではのぞみ号の方が、車内販売でアルコール類を買えるのでいいかもしれません。
一方で、車内販売は自分の席にいつ来るかわかりません。所要時間が1時間に満たないので、場合によっては車内販売が来る前に下車ということもあり得ます。
【緊急追記】
JR東海は、2023年10月末をもって車内販売を終了すると発表しました。これにより、「のぞみ号での車内販売利用」というメリットが無くなってしまいます。詳しくはJR東海のプレスリリースをご覧ください
✅ 名古屋から大阪へ、ひとり旅するなら
大阪から名古屋までですと、JRの名古屋駅と近鉄名古屋駅は隣接しているので、目的地がどこであっても、場所的なことはあまり関係ありません。
一方で、名古屋から大阪へ行く場合は、到着駅と目的地の位置関係を頭に入れてプランを立ててみるのも、列車を選ぶ際のヒントになります。
例えば、目的地が「なんば」だった場合です。
新幹線だと、新大阪から地下鉄御堂筋線に乗り換えて向かうので、乗り換えに10分、地下鉄で15分とみて、名古屋からの実質的な時間は約1時間15分かかります。
新大阪駅で乗り換えに迷うことはほぼありませんが、慣れない駅構内に不安を感じる方もいるでしょう。その点、近鉄線ならば近鉄難波へ直行します。
さらに、目的地が「鶴橋」の場合は、JRだと新大阪と大阪でそれぞれ乗り換えの必要があり、その分時間がかかりますが、近鉄線ならば最短で2時間を切ります。
✅ 帰りにぐっすり休みたいのなら近鉄線がお勧め

ひとり旅の帰りに列車に乗ると、旅の疲れがどっと出て、列車の振動が心地よくなり、ついつい眠くなるものです。
列車内でしっかりと眠って、少しでも疲れを取りたいのであれば、迷わず近鉄ひのとり号をお勧めします。
新幹線で新大阪駅から名古屋駅へ向かう場合、途中の京都駅でも乗降客が多いため、実質的に休める時間は京都を出発後の30数分しかありません。
名古屋駅も乗降客が多いので、よほどぐっすり寝入らない限り、乗り過ごす可能性は少ないでしょうが、それでも気になって、なかなか眠れないものです。
その点、近鉄ひのとり号ならば、鶴橋駅を出れば、名古屋まではたっぷり時間があります。その間、ぐっすりとお休みになることができるわけです。

私は大阪で昼酒を飲むケースがほとんどですので、近鉄でゆっくり寝ていくか、近鉄より遅く出発できる新幹線でギリギリまで飲むか、毎回思案しています😓
✅ 名古屋や大阪から、先へと向かう場合は
ひとり旅の目的地が名古屋や大阪ならいいですが、列車を乗り継いでその先へと向かう場合は、必ずしも近鉄の方が安いとばかりも言い切れません。
新大阪からの乗り継ぎでは、和歌山方面への特急くろしお号、城崎温泉方面への特急こうのとり号、関西空港への特急はるか号があります。
名古屋からの乗り継ぎでは、長野方面への特急しなの号、高山方面への特急ひだ号、新宮方面への特急南紀号があります。
在来線特急は、いずれも乗り継ぎ割引が適用されるので特急料金が半額になります。また、乗車券は目的地の駅までの通しの切符が使えます。
近鉄線利用ですと、JRの分の切符はもちろん別になり、特急料金も通常通りです。目的地が遠くなるほど、近鉄経由と新幹線経由の料金差は少なくなります。
新幹線のぞみ号と近鉄線ひのとり号は、所要時間や料金以外にも、選ぶためのポイントがたくさんあることが分かっていただけましたでしょうか。
ひとり旅のプランや目的に合わせて、列車を選んでいただければと思います。