旅道楽なコラムvol.23~日本一静かなターミナル駅・備後落合

ひとり旅のエピソード、失敗談、感動秘話などを綴る旅道楽なコラム。今回は、「日本一静かなターミナル駅・備後落合」のタイトルで、2001年11月の中国路旅行の思い出を書きます。

中国山地にあるターミナル駅

中国地方の山間部には、山陽と山陰を縦断する路線以外、ローカル線が細々と運行されています。いずれも赤字線で1日数往復という路線もあります。

広島駅と岡山県の備中神代駅を結ぶ芸備線もその一つです。とくに備後庄原駅から備後落合駅をはさんで備中神代駅までの区間はローカル色たっぷりの路線。

芸備線は全線を乗り通せる列車がありません。途中の三次駅と備後落合駅で必ず乗り換えが必要となります。

その備後落合駅からは、北に向かって別の路線が走っています。島根県の宍道駅とを結ぶ木次線で、これも山間部をうねうねと走るローカル線です。

ターミナル駅という位置づけがされている備後落合駅・・・ですが、乗り入れているローカル線はいずれも閑散路線・・・いったいどんな雰囲気なのでしょうか。

念願かなって備後落合駅を訪れるチャンスが到来。中国路のひとり旅で三次市に宿泊し、芸備線から木次線で山陰へ出るというプランを立てました。

朝一番の列車が、備後落合の二つ手前にある備後西城駅止まりだったので、駅前でタクシーを呼び、備後落合駅に向かうことにしたのでした。

 

広い構内に一人ポツリと

タクシーが備後落合駅前に到着しました。小さな集落のやや高台にある駅ですが、人の気配はありません。待合室にも誰もいません。

ターミナル駅にもかかわらず無人駅とは・・・予想はしていたとはいえ、実際に駅のホームに立ってみると意外な感じすらしました。

それと言うのも、ホームには複数のレールがあり、何も知らずに列車でやってくれば、駅員が居るのが当たり前と思える広い構内だったからです。

小一時間すると、三次方面からの芸備線と木次線の折り返し列車がやってきます。その間、備後落合駅は無人のままで、私の「独り占め状態」が続きます。

時々、住民らしき人が待合室にやって来ます。でも列車に乗るためではありません。駅の便所だけちゃっかり使用したおじいさんには驚きました😧

やがて木次線の列車がやって来ました。下車した乗客はたった1人。2分後に来た芸備線の下車客も1人・・・乗務員の人数の方が多いくらいです。

木次線の列車に乗ったのは私と運転士だけ。定刻に列車が出発し、その1分後に芸備線も折り返し運転で出発。備後落合駅は再び静寂に包まれるのでした。

この中国路ひとり旅では、今は廃線になってしまった三江線(三次ー江津)にも乗りました。江の川に沿って走っていたローカル線で、高架駅で知られる宇都井駅がありましたね😌

 

今回のキーワード「芸備線の赤字区間」

備後庄原駅から備中神代駅までの区間は慢性的な赤字ローカル線のため、JR西日本と地元自治体が存続や再編をめぐる協議をしており、議論の行方が注目されています。
芸備線の利用促進について(庄原市のサイト)

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