旅道楽なコラムvol.24~踏んだり蹴ったりの北海道夜酒

ひとり旅のエピソード、失敗談、感動秘話などを綴る旅道楽なコラム。今回は、「踏んだり蹴ったりの北海道夜酒」のタイトルで、1998年8月の北海道某所でのできごとについて書きます。

一人酒を台無しにするパターンとは

このサイトで飲み歩きのエッセイ「酔いどれ男のさま酔い飲み歩記」を掲載しているように、旅先で酒場を巡って一人酒を堪能するのは楽しいものです。

日本全国を旅して歩き、たくさんのまちで飲み歩いてきましたが、常に最高の酒場ばかりにたどり着けるとは限りません。時には「ダメだこりゃ」と思うこともあります。

1軒目がダメでも、2軒目は素晴らしい酒場にたどり着く・・・これも飲み歩きの妙。ところが、ダメが2軒続いてしまうと、テンションがダダ下がりになってしまいます。

その経験をしたのが1998年夏。北海道での出来事でした。たまたま巡り合わせが悪かったわけですが、その街の印象が悪くなってはいけませんので地名は伏せます。

ホテルにチェックインし、いつものように夜の一杯に繰り出します。インターネットの無い時代でしたので、事前情報は何もないままに一軒の酒場を訪れました。

北海道なので海の幸が美味しいだろうと思い、日本酒と刺身の盛り合わせを注文しました。一杯目をグイっと飲みながら肴を待つのも酒場の醍醐味なのです。

やがて店員さんが盛り合わせを持ってきました。「さあ、酒と肴でじっくりと味わうぞ」と思った矢先、醤油皿を見たとたん、「え?」と絶句してしまいました。


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注文ほったらかし「お前それはないだろう」

醤油皿の中に、スーパーで提供される粉ワサビの小袋が入っていたのです。 漫画美味しんぼのように「粉ワサビじゃダメだ」と通ぶったことを言うつもりはありません。

でも、せめて刺し盛り皿に添えるのが礼儀というものではないでしょうか。小袋のままとは、あまりにも手抜きだろう・・・こうなるともう、飲み食いする気になりません。

店を出た私は、あまりのショックに酒場を探し歩くのも面倒になり、ホテルに戻ってきました。ホテル内に良さげな和食店が入っており、ここで飲み直すことにしたのです。

品書きに食べたことのない珍しい魚があり、時価となっていたので店員に尋ねてみました。店員はポカンとしながら、厨房へ聞きにいったように見えました。

返答を待ちつつ、別の店員に冷酒を注文。飲みながら待っていますが、ちっとも戻って来ません。これじゃあ埒があかないので、とりあえず何か頼もうと思いました。

・・・が、注文用のボタンを押してもなしのつぶて。お客が多く忙しそうだったのですが、ほったらかしとは・・・「お前それはないだろう」と怒り心頭に達したのです。

冷酒を飲み干して席を立ち、憮然として会計をする私。いきさつを聞いた女将は「申し訳ございません」と謝り、冷酒はサービスということになりました、とさ。

このあとは部屋に戻ってふて寝をしたことは言うまでもありません。なお、コラムに登場した飲食店は現在も営業しているようです。もちろん店名は出せませんが😮‍💨

 

今回のキーワード「酔いどれ男のさま酔い飲み歩記」

私マイケルオズが、全国各地のひとり旅での酒場めぐりなど、エピソードや失敗談を盛り込みながら、ドキュメントタッチで面白おかしく書いています。noteで連載中です。
note「酔いどれ男のさま酔い飲み歩記」 

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