旅道楽なコラムvol.12~津軽の旅路でカメラが大ピンチ
ひとり旅のエピソード、失敗談、感動秘話などを綴る旅道楽なコラム。今回は、「津軽の旅路でカメラが大ピンチ」のタイトルで、2002年10月の津軽半島旅行でのアクシデントを書きます。
カメラのシャッターが下りない!
青森県の津軽半島をレンタカードライブでひとり旅をした時のことを書きます。私のひとり旅でも指折りの大ピンチに陥ったアクシデントです。
津軽半島は公共交通機関の便がよくないうえ、半島西側にはバス路線がないこともあり、青森駅前からレンタカーで巡ることにしました。
青森市内を北上し、半島中央部にある蟹田町(現外ヶ浜町蟹田)にやって来て、観光スポットでいつものように写真を撮り歩いていた時のことです。
コンパクトカメラで風景写真を撮ろうと思ったら、シャッターが下りなくなったのです。何度押しても空回りするばかり。電源を入れ直してもダメでした。
「ひょっとしたらフィルムのトラブルかも」と思い、わずか数枚しか撮っていなかったのですが、フィルムを巻き戻し、新しいフィルムをセットし直しました。
それでも、シャッターは下りてくれません。カメラ本体のトラブルに間違いありません。私の全身から冷や汗がしたたり落ちました。
それと言うのも、旅行に持ってきたのがこのカメラだけだったからです。唯一のカメラが使えない・・・つまり旅先の写真が撮れない・・・これは大ピンチです。
半信半疑だったAPSフィルムのカメラ
不幸中の幸いだったのは、レンタカーで旅行していたことでした。すぐさま、蟹田町の中心部に車を走らせ、写真館を見つけることができたのです。
コンパクトカメラを売っていましたが、旅先で買えるような値段ではありません。ほかにカメラ量販店を探すとなると、青森市内まで戻らなければなりません。
最悪、使い捨てカメラでしのごうかと思った矢先、見慣れない形のカメラがありました。APSという小型のフィルムを装てんするポケットカメラだったのです。
APSフィルムがどんなものなのかも知らず、うまく写るのか半信半疑でしたが、背に腹は代えられません。痛い出費でしたが購入することにしました。
旅行中なので試し撮りするわけにもいかず、ぶっつけ本番での使い初め。説明書を読んでも、単にシャッターを押すだけしかできない構造だったのです。
忌々しい思いで、トラブルを起こしたコンパクトカメラを改めていじくり回していたら・・・なんと、望遠にすればシャッターが下りてくれるじゃないですか!
単純に一件落着とはいきませんが、コンパクトとポケットを併用しながら旅行を続けることにしました。あとは、何とか写っていてほしいと、祈るような気持ちでした。
旅行後に現像し、コンパクトカメラもポケットカメラも無事プリントができて心底安堵しました。この時の教訓を受け、しばらくはカメラを2台持ち歩いたものです😉
蟹田町は、津軽半島の東側にある平館村、三厩村と合併して外ヶ浜町となっています。蟹田という地名の由来は、太宰治も好物だったトゲグリガニがよく獲れたことからきているそうです。
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