旅道楽なコラムvol.8~あの年・・・淡路島の野島断層を見学していた!
ひとり旅のエピソード、失敗談、感動秘話などを綴る旅道楽なコラム。今回は、「あの年・・・淡路島の野島断層を見学していた!」のタイトルで、2011年2月に訪れた淡路島の北淡震災記念公園について書きます。
淡路島のひとり旅で外せないスポット
1月17日は忘れもしない阪神・淡路大震災が発生した日。1995年の震災から30年近い歳月が流れましたが、決して忘れることができない災害の一つです。
淡路島にひとり旅に出かけたのは2011年2月でした。レンタカーを借りて島内をほぼ一周した旅は、見どころもグルメも盛りだくさんで楽しかった思い出があります。
それでも、ただ楽しいだけの旅にしてはいけないと思っていました。その理由は、この地に阪神・淡路大震災の震源地「野島断層」があったからなのです。
あの日あの時、私は早朝の仕事を終えて職場でテレビを見ていました。高速道路の崩壊、大規模な火災など、大地震の恐ろしさに身震いした記憶があります。
淡路島北部の淡路市に、震災そのままを後世に語り継いでいくための施設「北淡震災記念公園」があり、念願かなって訪問することができました。
この施設は、震災で大きくずれた野島断層をそっくりそのまま残し、巨大地震のすさまじさを見せつけるとともに、防災や減災を啓発しようという目的の公園です。
震災では、壊滅的な被害を受けた神戸市がクローズアップされがちですが、淡路島も大きな被害を受けました。それは野島断層を見れば一目瞭然です。
1か月後のまさか・・・を知らずに
野島断層保存館は、ドーム状の建物で野島断層を災害時のまま残しており、インパクトは強烈。舗装したあぜ道は左右に大きくずれ、水路はねじ曲がり、舗装は破壊され尽くされ・・・
建物の外とは全く異なる光景に「これは映画のセットなのか?」と思ってしまったほど。でも、震災時はこの光景が淡路島のあちこちに広がっていたのでしょう。
地震体験のコーナーがあったので、淡路島で観測した震度7を体験しました。突き上げるような大きな揺れは、とても身動きができるようなものではありません。
ガイドの方は「揺れるとわかっていたので身構えられますが、不意打ちを食らうとどうしようもないです」と語っていました。その通りだと強く体感させられたのです。
ドーム状の建物の外には、メモリアルハウスと銘打って震災当時の住宅がそのまま保存されていました。あの大揺れでも住宅は倒壊していなかったのです。
耐震住宅や耐震補強さえすれば、住宅は簡単には壊れないことを物語る貴重な「生き証人」でもあります。減災の重要性を再認識させられました。
北淡震災記念公園を訪れたのが2月12日、そして1か月後の3月11日に東日本大震災が発生しました。災害は繰り返すもの・・・思わず自問自答したのでした。
北淡震災記念公園は、震災遺構である一方で、淡路島の観光スポットにも位置付けられ、レストランや物産館も併設しています。ぜひ訪れてみてください。
1995年1月17日の阪神淡路大震災は、大都市直下型地震の恐ろしさをまざまざと見せつけるとともに、防災減災の取り組みやボランティア活動のきっかけになった災害でした。
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