太宰治の小説「津軽」のクライマックスを訪ねて~青森県中泊町小泊でひとり旅
ピンポイントでひとり旅が楽しめるお勧めの観光地やスポットを「ピックアップ!ひとり旅」と銘打ってご紹介いたします。
今回は青森県中泊町の旧小泊村。
テーマは「太宰治の小説「津軽」のクライマックスを訪ねて」です。
- 太宰治と越野たけ再会の地を歩く
- 小説「津軽」の像記念館
- クライマックスの龍神様(龍神宮)
- 中泊メバル膳とは?
「ピンポイント」の意味については、こちらで解説
「津軽」は、太宰治が昭和19年に書いた小説で、太宰がふるさとの金木町への里帰りを兼ねて、津軽半島をひと回りした紀行文的な要素を含んでいます。
今回のピンポイントである小泊村は、津軽の最終章に登場します。太宰家で自分の子守りとして奉公していた「たけ」を訪ね、紆余曲折の末に再会を果たすというドラマチックな展開が、読む人の感動を呼び起こします。
「たけ」さんは、もちろん実在の人物ですし、登場する場所もフィクションではありません。この旅をする前には、ぜひとも「津軽」を読んでから出かけましょう。
太宰治については、太宰のふるさと情報倶楽部が運営する「太宰ミュージアム」で詳しく紹介しています。
旧小泊村には、津軽中里もしくは五所川原からバスで向かうのが一般的なルートで、太宰治もこのルートを使っています。竜飛岬からは公共交通機関はなく、レンタカーなど車での移動となります。
⭐ ピンポイントアドバイス「太宰治と越野たけ再会の地を歩く」
旧小泊村には「太宰とたけ再会の道」と銘打った散策コースがあり、6つのポイントに文学碑が建っています。
文学碑は、景勝地や港、街中に点在しており、それぞれ津軽の一節が刻まれています。すべてを巡り歩けば、4・5キロになるそうです。
たけとの再会を果たした旧小泊国民学校運動場は「ふれあい運動場」として今も使われていますし、近くには小説「津軽」の像記念館があります。
✔️ これがおススメ「小説「津軽」の像記念館」
「津軽」を巡るひとり旅のメインとなる施設です。ここを外すわけにはいきません。
コンパクトな記念館ですが、展示内容はほぼ「津軽」一色。たけさんの晩年の姿を描いた映像や、たけさんの娘さんのインタビューなど貴重なものが展示、公開されています。
冬場は休館日がありますので、来館の際にはご確認ください。
✔️ これがおススメ「クライマックスの龍神様(龍神宮)」
小説「津軽」の像記念館から、東へ約200メートル、町営住宅の先の林の中にある小さな神社です。
再会したたけは、太宰に「龍神様の桜を見に行こう」と誘い、その場所で昔話を語ります。これが津軽のラストシーンになっているのです。
姿勢を正して座るたけと、どこかくつろいだ感じの太宰が並ぶ「津軽」の像。おそらく、ラストシーンを想像して作られたのだと思われます。
🉐 マニアックな情報「中泊メバル膳とは?」
中泊町が、高級魚のメバル(ウスメバル)の水揚げ量青森一ということで、メバルで地域を盛り上げようと、ご当地グルメ「中泊メバル膳」を開発しました。
中泊町で水揚げされたウスメバルを使い、刺身姿盛り、熱々煮付け、潮汁を必ずセットするというルールで、他の海産物やご飯も中泊産というこだわり抜いた御膳です。
町内のレストランで味わうことができますが、水揚げ量が限られているので予約制となっています。太宰散策のあとは、メバル膳を美味しく味わいましょう。
提供店など詳しい案内は公式サイトをご覧ください
「中泊メバルの刺身と煮付け膳」公式サイト
小説「津軽」の舞台を訪ねるひとり旅。多くの方に楽しんでいただけますよう期待しながら、このページの最後も、津軽の一節から引用いたします。
津軽の生きている雰囲気は、以上でだいたい語り尽くしたようにも思われる。私は虚飾を行わなかった。読者をだましはしなかった。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。
小説「津軽」より