旅道楽なコラムvol.30~船でしか行かれない陸の孤島・船浮

ひとり旅のエピソード、失敗談、感動秘話などを綴る旅道楽なコラム。今回は、「船でしか行かれない陸の孤島・船浮」のタイトルで、2008年12月の沖縄県西表島での体験談について書きます。


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同じ島内なのに陸路が無い

沖縄県の八重山諸島は、日本国内では最も遠い旅先と言えます。宮古島と石垣島には羽田から直行することも可能ですが、他の島へはダイレクトに行かれません。

島全体に南国の大自然が手つかずのまま残っている西表島は、昔からあこがれの地でした。簡単に訪れることができないのも魅力だったのかもしれないですね。

その西表島のなかに「船でしか行かれない集落」があることを知ったのは、八重山への旅行を計画してからでした。その集落の名前は「船浮」と言います。

船でしか・・・ではありますが、離島ではなく西表島の南西部にある集落です。ただ、周囲をジャングルで囲まれており、陸路たどり着く手段はありません。

さて、念願の船浮を訪れるため、まずは西表島を目指します。羽田空港から那覇空港で航空機を乗り換え、石垣空港で降りました。ここからフェリー乗り場に行きます。

西表島には空港がありませんので、フェリーでの移動となります。波が荒い時はかなり船が揺れますので、船酔いが心配な方は覚悟しておかねばなりません😨

西表島の南東の大原港から反時計回りに海岸線を走り、最も西側にあたるのが白浜集落。ここから船浮海運のフェリーで船浮へと渡るのです。

 

静けさだけに包まれた船浮

乗船10分で船浮港に到着。地元住民にとっては唯一の交通機関だけに、乗客とともに生活物資も一緒に運んでいたようでした。

私が訪れた当時は、西表島のなかでも「知る人ぞ知る秘境」という雰囲気がありました。集落はコンパクトにまとまっており、50人ほどの住民が暮らしています。

集落から林の中を西へ向かって歩くと、イダの浜という砂浜に出ます。船で訪れた人しか来られない場所なので、まるでプライベートビーチのよう。

天気が良ければ、エメラルドブルーの海と白砂の海岸線が鮮やかに見られる絶景・・・ただ、私が訪れた時は残念ながら曇天かつ強風でした🤣

集落内には「イリオモテヤマネコ発見・捕獲の地」という小さな碑や、船浮生まれの絶世の美女ながら悲恋の女性として語られる「カマドマの碑」もあります。

また、旧日本軍の防空壕跡も残されていて、思わず「こんな辺境の地にも戦争の爪痕があるんだなあ」と胸が締め付けられるような気持ちになりました。

船浮と白浜を結ぶフェリーは2時間に1本程度の運行なので、船浮集落を散策するのには十分。喫茶スペースでシークワーサージュースを飲む余裕すらあったほどです。

訪れた時の天候が気がかりだったのですが、白浜港と船浮港を結ぶフェリー航路は、リーフというサンゴ礁の内海にあるため、外洋が大シケでも大丈夫でした😉

今回のキーワード「船浮海運」

船浮集落の住民の足であるフェリーを運航している地元の会社で、船浮営業所は民宿ふなうき荘を併設しています。
船浮海運の公式サイト

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