酔いどれ男のさま酔い飲み歩記㉑~「初詣+飲み歩き、ハプニングもあった千葉飲み」
ひとり旅にはお似合いの一人酒を、面白おかしいエピソードでつづる体験談エッセイ「酔いどれ男のさま酔い飲み歩記」。第21回「初詣+飲み歩き、ハプニングもあった千葉飲み」のタイトルで、千葉市での飲み歩きを掲載します。
※飲み歩き当時を綴ったエッセイなので、お店の情報など現在と異なる場合があります
はじめに
新型コロナウイルスが出てくる前は、正月と言えば「初詣」飲み歩きが定番だった。きっかけとなったのは2016年で、いきさつについてはこのあと触れていく。それもしても始めたのは6年前、中断を余儀なくされたのが2年前・・・わずか5年しか続かんかった😭・・・が、2023年から復活した!
「withコロナ」の時代にマッチした酒飲み・・・それが一人酒だぜ。
そして、神社への初詣・・・みんなで厄病退散を祈願しよう。
サイトのアピールはこのくらいにして、そろそろ千葉の飲み歩きを書くとするか。
初詣飲み歩きにハプニング!~新宿「長野屋食堂」が口開けに
そもそも、1月には毎年東京に出かけていた。目的は大相撲初場所の観戦である。前日東京入りして飲み歩き、大相撲観戦をして、その日のうちに帰る。これが定番だった。
転機になったのは2015年の正月。父親の喪中となってしまったため、大相撲観戦どころではなくなった。翌16年は2年ぶりの初場所観戦を目論んだのだが、チケットが取れないという事態に遭遇。2年連続で東京飲み歩き断念は痛すぎる。
そこで、東京に出かける「口実」を探した・・・あった!初詣だ。これなら、誰にも文句を言われない。「一年の計」を立て、神様にお誓いするのは、とてもいいことである。お酒でお清めをすれば、もっといい。
どうせなら、大相撲観戦とは違ったパターンにしよう。
目を付けたのは、特急あずさ号の終点・新宿駅で、成田エクスプレスに乗るというプラン。もちろん空港に用はないので、途中停車駅の千葉で下車。千葉市中央区で飲み歩き、泊まろうという目論見だ。
千葉市は初めての飲み歩きとなる。これはなかなか楽しみだ。切符もあらかじめ入手した。気分も高まっていたので、早くもあずさ号の車中でカップワインをあける。だが、事前の準備がうまくいった時こそ、好事魔多しとなる。
あずさ号は、先行する列車の遅れに巻き込まれてしまい、徐々にダイヤが遅れ始める。成田エクスプレスとの乗り換えは絶妙な時間だっただけに、致命的となった。新宿に着いた時には、予定の列車は出発した後だった。
仕方なく、1時間後の成田エクスプレスに切符を振り替えた。飲み歩きを考えると、夜の1時間ロスは非常に大きい、でも、こればかりは仕方ない。新宿駅で少し時間があったので、東南口のすぐ近くにある長野屋食堂へ飛び込んだ。
まさか、長野屋食堂が口開けになるとは・・・
まあいいだろう。ここは新宿の穴場中の穴場だ。駅前の一等地なのに昭和レトロを感じさせる店構えは、いつも安心して入れる。食堂なので、食事のお客が多いのだが、もちろん飲むことだってできる。何度来ても、重宝する店だ。
短時間なので、小瓶のビールとハムサラダ、ポテトサラダをいただく。まさにサッと飲んで、パッと出るというパターン。今回は予期せぬ立ち寄りだったが、改めて腰を落ち着けて飲みに来よう。
千葉市中央区「升や」~海の幸は美味しかったのだが
予定より1本遅い成田エクスプレスには無事に乗れ、千葉での飲み屋を調べているうち、あっという間に千葉駅に着いた。ここで下車したのは当然だが私一人。そりゃそうだ。ふつうの乗客は成田空港が目的地なのだからな。
ホテルにチェックインする。ホテルからほど近いところには栄町という、その道に詳しい方ならよくご存じのエリアがある。うっかりすると、そちらに導かれかねない。だが、今の私には色気よりも、食い気、いや飲み気なのだ。
そんなわけで、栄町に背を向けてやって来た飲み屋街。ろくに下調べもして来なかったので、ホテルでいただいたクーポンの店を訪ねてみる・・・が、満席。すでに出遅れているので仕方ない。ようやく空いている店があったので入る。居酒屋「升や」である。
カウンターに座り、まずは千葉の地酒・梅一輪「躍」を注文。海鮮居酒屋ということで、海の幸は豊富らしい。そのなかに「ながらみ」という聞いたことがないメニューがあった。聞けば巻貝とのこと。より正確に言うと、ダンベイキサゴという貝のことだ。
ながらみは、食べ方にひと工夫いる。
殻を割ろうとしても固くてムダだ。爪楊枝で身を刺し、クルクル巻くようにしてひねり出す。すると、中身がスッポリ抜ける。これをいただく。以前に高知で食べた「ちゃんばら貝」と同じ要領である。潮の香りが強すぎず、なかなか美味い。
ながらみのほか、イワシのなめろうも頼む。さらに何か注文しようと思ったのだが、店があまりにも忙しすぎ。店員の兄さん、姉さんはバタバタと動き回って、声を掛けられずじまい。中途半端だったが、別の店に行くとするか。
千葉市中央区「手羽美」~腰を落ち着けて飲める酒場
同じ小路にある居酒屋「手羽美」。ここには「越乃寒梅」の大看板が掲げられており、思わずフラフラと引き寄せられてしまう。店内は落ち着いた雰囲気。升やの若い店員とは対照的に、年配の店員さんが切り盛りをしていた。
店の屋号から、手羽先が看板メニューだろうなとは思った。けど、木戸泉という日本酒とイワシの刺身でいく。こういう渋めの大衆酒場は、オールマイティのはずである。ようやく、腰を落ち着けてじっくりと飲める。ありがたいことだ。
さてと、看板の手羽先をいただくか。
手羽先はから揚げを頼み、合わせる酒はハイボール。ずっと魚系の料理ばかりだったので、脂ぎった肉系が欲しかったのだろう。注文する順番が逆だったかもしれないが、もはや酔っているので、どうでもいいや。
千葉の夜、これにて時間切れ。また次の機会を楽しみにしているよ。
(2016年1月忘備録)
エッセイでご紹介した店舗(食べログページにリンク)
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