旅道楽なコラムvol.3~憧れの旅先「日本キャニオン」を目指して
ひとり旅のエピソード、失敗談、感動秘話などを綴る旅道楽なコラム。今回は、「憧れの旅先「日本キャニオン」を目指して」のタイトルで、1993年5月のひとり旅で目指した旅先について書きます。
地図で見つけた日本キャニオン
ひとり旅にハマった私には、行きたい旅先がいくつかありました。海外には関心がなく、もっぱら国内旅行をしようと思ったのも、その頃からでした。
日本全国の地図を買ってきては眺めている日々。その時、私の目に「日本キャニオン」という文字が飛び込んできました。いったい、ここはどんなところなのだろうか?
地図上で、青森県岩崎村(現深浦町)にあることだけは分かっていましたが、インターネットが無い時代ですし、観光ガイドブックでも情報が得られなかったのです。
憧れの旅先となった理由は、日本キャニオンというダイナミックな名称もさることながら、全国屈指の海岸美を楽しめる五能線沿線にあることも挙げられます。
ルートなどを練りに練って、1年越しでひとり旅の目的地として具体化させました。日本キャニオンに十二湖散策、五能線沿線巡りという夢のようなプランです。
旅行は2泊3日で五能線沿線巡りは2日目。五能線の線名になった五所川原市に宿を取り、同じく線名の能代市まで向かうプランで、幸い天候にも恵まれました。
十二湖駅で下車し、バスで十二湖へと向かいます。その途中に日本キャニオンがありますが、先に十二湖の美しい景観をたっぷりと堪能させていただきました。
白い岩肌の圧巻の絶景が広がる
十二湖の中でも、ひときわ美しい青池、沸壺の池をはじめ、ブナの原生林の中に静かに湖面をたたえる湖沼群に感動しつつ、いよいよ日本キャニオンを目指します。
十二湖からは原生林のトレッキングコースを歩きます。昔のことなのでよく覚えてはいませんが、散策するには結構なハードコースだったような気もします。
世界的な探検家の岸衛がこの地を訪れた際、景観がグランドキャニオンに似ていることから「ベビーキャニオンだ」と言ったことが、名前の由来になっているそうです。
苦労して展望所にたどり着くと、緑連なる白神山地の山々のなかに白い岩肌が露出する山が姿を現します。思わず、感嘆の声が出てしまったほどです。
もちろん、本場のグランドキャニオンには行ったことがないので、比べようがありませんが、谷底まで続いていく白い岩肌は、まさに圧巻の絶景と言ってもいいでしょう。
列車とバスを乗り継ぎ、山道を歩いてやっとたどり着いただけに感慨もひとしお。ずっと眺めていたかったし、谷底も歩いてみたかった・・・でも、時間には限りがあります。
あれから、間もなく30年。白神山地が世界遺産となり、多くの人たちが訪れる一大観光地になりましたが、日本キャニオンの景観は昔と変わらず旅人を迎えてくれます。
この時のひとり旅では、五能線に乗ったのがとても楽しく、印象深かったです。五能線は「海のローカル線」というだけあって、日本海沿いを延々と走り、その車窓の見事さは感動ものですよ😊
十二湖という観光地名ですが、実際には33の湖沼群があるエリアです。世界遺産の白神山地のふところにあり、森林浴セラピーなど気軽に散策が楽しめる観光スポットです。
十二湖の森(深浦町のサイト)
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