旅道楽なコラムvol.11~霧多布湿原で突如襲ったアクシデント

ひとり旅のエピソード、失敗談、感動秘話などを綴る旅道楽なコラム。今回は、「霧多布湿原で突如襲ったアクシデント」のタイトルで、1997年6月のひとり旅でのアクシデントについて書きます。

霧多布湿原の眺め

霧多布湿原をサイクリング散策

私は用心深い性格で、自宅玄関の鍵は旅行中絶対に触れないところにしまい込み、紛失しないようにしています。この習慣もアクシデントがきっかけになったのです。

北海道道東へのひとり旅が初めて実現した1997年6月。釧路空港を降り立って、根室本線(花咲線)で東へと向かい、根室を目指していました。

途中の浜中駅で下車し、駅前から出ているバスで霧多布湿原の玄関口である霧多布バスターミナルに行き、湿原の散策を楽しもうと考えたのです。

バスターミナルの案内所にレンタサイクルがあることは事前に調査済み。湿原と霧多布岬を短時間で両方巡るのにはちょうどいい手段でした。

最初に湿原を目指してサイクリングを開始。高台から眺めるのがベストだと聞いていたので、坂道に難儀しながらも展望台を目指していきました。

展望台周辺には放牧された馬がおり、やや霧が立ち込めてはいたものの太平洋を眺め、霧多布湿原を蛇行する琵琶瀬川の絶景を存分に楽しんだのです。

次は霧多布岬を目指す番。坂道を下っていく途中、湿原内を木道で散策できるスポットがあったので、立ち寄ることにしました。これが運命の「途中下車」だったのです。


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「鍵がない」・・・青ざめる私

湿原内も期待通り、今が盛りのワタスゲをはじめ、多くの花々が咲き誇っていました。いつものように、ところどころで自画撮りしながらひと回りしたのでした。

「さあ、岬に行くぞ」。そう思ってズボンのポケットに手を突っ込んだら、レンタサイクルの鍵がありません。これはマズいことになりました。

自画撮りの時に落としたに違いないと推測し、散策路を戻って探しましたが鍵はありません。もし湿原内に落ちてしまっていたら、探しようがないわけです。

2往復して探しましたが見つかりません。これ以上探しても時間のムダだとあきらめ、近くのペンションで電話を借りて案内所に鍵を無くした旨を伝えました。

そして、ペンションの方にペンチを借りて鍵をぶっ壊し、とりあえず乗れるようにはしました。鍵を壊した分は当然弁償しなければならず、痛い出費です。

気を取り直して霧多布岬を目指そうとしたのですが、ここも丘陵地で上り坂ばかり。バスの時刻も迫ってきており、岬1キロ手前で断念せざるをえなくなりました。

意気消沈しながら、やっとのことで案内所まで戻ってレンタサイクルを返却し(むろん弁償代も支払って)、荒い息づかいのまま、放心状態でバスに乗り込んだのでした。

この時のショックはバスの中、さらに列車に乗っても続いていました。そんな気分を一気に晴らしたのが、車窓から見たエゾシカたち。まさか列車に乗りながら見られるとは思ってもしなかったので、驚きと感動で元気回復しましたね🤩

 

今回のキーワード「花咲線」

根室本線の釧路駅から根室駅までは、特急列車が走っていないローカル線区間となり、「花咲線」という愛称で親しまれています。沿線は湿原や原野が連続する北海道らしい光景が楽しめます。

地球探索鉄道花咲線のサイト(根室市制作)

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