ひとり旅で効率よく移動するなら~上手に使おう!コミュニティバス

車社会全盛の時代となり、道路網の整備が進んでいる一方で、公共交通機関の利用者が減り、鉄道の廃線やバスの廃止路線が増えている昨今です。

地方都市にとっては、バス路線の廃止は住民生活に大きな影響を及ぼしますが、その対策として自治体が導入しているのがコミュニティバスです。

コミュニティバスは、「観光地を巡回するタイプ」「通院や買い物に利用する住民の足」など、さまざまな目的で運行されています。

都市間の移動といった長距離の運行こそしていませんが、旅先をピンポイントで巡るのには非常に都合のいい交通手段となってくれます。

今回は、長野県の諏訪湖周辺を走る自治体のコミュニティバスを例に挙げながら、コミュニティバスの上手な利用法についてアドバイスいたします。

大河ドラマなどでブームになっている地域では、時期限定の周遊型コミュニティバスが運行されることがあります。交通手段の限られた地域での観光で、とても重宝しています😊


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コミュニティバスのメリット

地域住民の生活の足であるとともに、旅先の移動手段としても便利なコミュニティバス。
旅人にとってどんなメリットがあるのでしょうか?

🚌 きめ細かいダイヤとルートが組まれている

コミュニティバスのダイヤやルートを決める際、多くの自治体では住民の代表者からの意見を聞き、住民の利便性を考えて設定されています。

朝の時間帯は、通勤や通学のほか、病院への通院で利用する方がいますし、午前10時前後ならスーパー等への買い物客のためのダイヤが組まれたりします。

最短距離を結ぶのではなく、駅、役所・役場、病院、大型店、学校、集合住宅団地などをきめ細かく網羅するルートを走る場合がほとんどです。

 

🚌 施設のすぐ近くにバス乗り場がある

路線バスですと、最寄りのバス停から目的地の施設まで、思ったよりも歩かなければならないというケースも珍しくありません。

コミュニティバスは、路線バスのような大きな車両ではないので、その分小回りがききます。病院や大型店などは敷地内まで入り込めるわけです。

お年寄りにとっては、病院の入り口にバスが停車してくれるので助かるでしょう。バス停の位置が分かりやすいという点では、地理不案内な旅人にもとってもありがたいです。

 

🚌 乗車1回分の運賃が安い

コミュニティバスは自治体が運営し、バス会社などに運行を委託しているケースが多く、住民に利用してもらえるよう運賃を抑えています。

諏訪湖周辺を走る自治体のコミュニティバスは、乗車1回の運賃が大人150円、子供80円 となっており、乗車距離が長くても料金は変わりません。

1日乗車券を使えば、さらに割安な運賃で利用できますので、複数回乗車するプランを組んでいるような場合は、かなり利用価値が高いということが言えます。

 

🚌 乗ることで地域に貢献

自治体が運営しているということは、経費は自治体の予算からまかなわれる・・・すなわち、原資の多くは住民の税金なのです。

多くの路線バスが路線廃止に追い込まれたのは、利用者の減少で赤字が大きくなったためです。自治体の運営とはいえ、赤字拡大は財政を圧迫しかねません。

旅先でコミュニティバスを利用するということは、旅人自身の利便性という面だけでなく、「バスの利用が地域貢献につながる」と考えることもできるのです。

 

利便性の高いコミュニティバスですが、利用する際には以下の点に注意が必要です

・目的地まで時間がかかる場合がある
・運転日を確認しなければならない
・事前予約制のバスには乗れない

コミュニティバスのなかには、幹線道路から外れて小さな集落をこまめに寄るルートが設定されているケースがあります。このため、目的地に着くまでに時間がかかることも珍しくありません。

小さな自治体ですと、コミュニティバスの台数に限りがあるため、路線によって運行日を定めている場合があります。さらに、住民の利用が少ない土曜、日曜は運休することも少なくないのです。

コミュニティバス路線があったとしても、デマンド方式という事前予約制のバスである可能性もありえます。基本的には路線を利用する地区住民が対象で、予約が無ければバスの運行自体を行わないこともあります。

利用者の多くは高齢者ですので、その方々への配慮も必要です。
例えば、入り口近くの座席には座らないこと、乗車や下車する時に後ろからあおり立てないこと。ちょっとした気配りで、お互い気持ちよく利用したいですね🤔

 

★諏訪湖周辺のコミュニティバス

諏訪湖周辺の諏訪市、岡谷市、下諏訪町には、それぞれコミュニティバスが運行しており、各市町のほぼ全域を網羅する路線が組まれています。

3市町共同の「スワンバス」も運行していて、1日券を使えば相互の乗り継ぎも可能です。

・諏訪市の「かりんちゃんバス」
 かりんちゃんバス時刻表(諏訪市のサイト)

・岡谷市の「シルキーバス」
 シルキーバスのページ(岡谷市のサイト)

・下諏訪町の「あざみ号」
 下諏訪町循環バス「あざみ号」(下諏訪町のサイト)

3市町共同運行の「スワンバス」

諏訪湖を一周する時計回り、反時計回りの2ルートがあり、3市町の駅や観光施設、温泉施設などを経由しています。時刻表や路線図は、かりんちゃんバス、シルキーバス、あざみ号の各サイトでご覧いただけます。

 

利便性がよく、小回りもきくコミュニティバスは、ひとり旅には欠かせない交通手段です。上手に利用することで効率よく旅ができるだけでなく、知られざるスポットが発見できるかもしれません。大いに利用しましょう。


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